今、世の中情報にあふれ、様々なメデイアを通して大量に発信されているけど、疑問に思う内容や報道姿勢も多々あるし、流言飛語に惑わされる日本人の特性がそこに浮かび上がる。 裏にそれを利用しようとするモノの存在が見え隠れする事も・・・ まあ大上段から切るような大袈裟なものではなく気楽に書いてみます。

ラケット考察

先日TVに、テニスを始めたのが30歳、40代で国体に、60代後半に全日本年代別ダブルスで優勝、現在は80歳で週に数回はテニスをされてる方が出ていました。

紹介のビデオにテニスをしてる姿と、ラケットがアップになる場面があった。

こういう人は、古いウッドラケットにシープガットを張ってたり、型落ちのプレステージを使ってたりするものだけど使っていたのは・・・

 

いわゆる軽量面大長物厚ラケ。

おそらくずっとこのタイプを使ってたのではなく、自分の技量、スタイル、年齢を経るにつれ体力の衰えetcを考慮しながら変遷を重ねてきたのでしょう。

 

このタイプは、初心者、女性、高齢者向きとあるのが常です。

なぜでしょうか?

操作が簡単で楽に使えるなら誰しも欲しがるラケットでは?

実はプロでもキャリアの終盤に、程度の違いはありますが、このタイプのラケットに変える事があります。

アガシもあのフェデラーも。

面をわずかに大きくし、フレームも少し厚くするようですが、頑なに変えないまま現役を終える人もいます、サンプラスはいろいろ試しましたが結局、変えようとしませんでした。

ラケットを変える事を考え始めるのは、感覚とショットとがずれたり、体力、感覚など年齢により衰えた分をカバーしたいからです。

 

現代のラケットの原型は、プリンスグラファイトOSです。

カーボングラファイト100%、ワイド面、ボックスフレームの採用など画期的なラケットでした。

これ以降のすべてのラケットに影響を与えています。

毎シーズン、メーカーは多くのラケットを新型として出しますが、カラーリングを変えたり、新素材?採用などと謳いますが、それ以前のものと大きな違いはありません。

新モデルが出る毎に買い替える意味はありません。

 

ただ時々思い切ったアプローチを取り入れたラケットが出る時があります。

フレームを分割したり、グロメットの形状を変えたり、etc

大抵長続きせず消えていきます、支持されなかったと言う事でしょう。

ラケットに関しては、面の大きさ、長さにルール上の規制があります、だからといってプロが許容ぎりぎりのものを使ってはいません、面の大きさ、ラケットの長さにはプロなりの上限があるのでしょう。

フレームの素材に規制はありません、カーボングラファイトは強く軽く丈夫で劣化しない、フレームとしては理想的で恐らくコスト的にもこれに変わるものは無いですね。

ただ振動は身体に悪影響があるので、各社振動軽減をセールスポイントにしてるのが最近の傾向です。

 

残るところはストリングスです、現在はポリが主流。

実はストリングスに関しては厳格なルールがあります、それは一本々交互に交差させなければならない、ストリングスに異物を付加させてはならない

というものです。

※ストリングスの下限以下に振動止め等を付加するのは可

これは過度なスピン防止対策です、材質、形状、本数の規制はありません。

言い換えればスピンはゲームにおいて有利なのです。

現代テニスはスピン無くしては語れません

フレームがスピンに及ぼす効果も多少はあるかもしれませんが、スピンを発生させるのはストリングスです。

ルール上ストリング本数に制限はない、ここに目をつけたのがWilsonです。

これはスナップバック理論を基に、ストリングの本数を減らし、ストリング同士の摩擦の軽減を狙ってスピンをかかりやすくするものでした。

自分も使いましたがスピン量は増えますが、ストリングを減らす(クロス側)と球速が落ちる、コントロールがつけにくいデメリットがあります。

前述のラケットに興味を惹かれたのは横糸が20本であることです。

尚、ストリングパターンについて

以下のルールもあるそうです(未確認の為参考)

「ラケットの打球面は平面で、ストリングが交差する箇所で交互に組み合わせるか、接着させて、十文字に交わった模様を成していなければいけない。さらにストリングの張り上がり模様はおよそ均一でなければならず、 中央部において他の部分より密度が薄くてはいけない」

解釈が難しいのが後半の部分です。

「中央部が他の部分より密度が薄くてはいけない」は、縦糸と横糸で形成されるいわゆるマス目が端の部分より大きくてはいけないということです。

WilsonのSラケは横糸の本数を減らす事によってストリング同士の摩擦を減らし、ストリングの可動域を大きくしスピン量を増やすというものでした。
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16✕15です。

詳細に見ると横糸の数を減らすだけでなく上下部を大きく開けています、縦糸は通常の16本ですがグロメットの穴の位置を工夫し中央部の間隔は狭くして左右の端は広くしてます、マス目は縦長の長方形になってます。

また、HEADが発売したラジカルPWRは縦糸を減らし14本、横糸は19本でした。

こちらは横糸は均等ですが縦糸は中央部を狭くしています、マス目はほぼ正方形。

どちらもルール上はセーフと言えます。

 

以下あるブログよりの抜粋 

略-多くのモデルが「縦ストリング16本×横ストリング19本」を採用しています。

ストリングパターンは、打球感や打球性能に大きな影響を与えます。-略-マス目の細かい方が、ストリング面全体のたわみ量が少なくなるため、飛びは抑えられます。-略-1つのマス目が大きい場合は、ストリング面がたわみやすく、糸の伸縮性を大いに利用してボールを飛ばすのに向いています。

実証(データによる検証)はされてはいませんが多くの人がそう考えてるのでは。

 

現在、ラジカルPWRの第3世代を使用しています。

長く第1世代を使っていましたが、第3世代はほんの少しフレームが柔らかく感じます。

ちなみに、フレームのサイズ、他は全く同じです。

肩痛を発症したせいもあり振動にはとても敏感です、特に軽量ラケットでポリストリングを使用するなら振動対策はかかせません。

振動止めを2種類、フレームの振動を減らす為のシリコンバンドも装着してます。

フェデラーよろしく何も付けない人がいますが、気が知れません。

ほぼ5年使用して、合うストリングスと適正テンション、スウィングウェイトにたどりついたのですが、もう少しショットのコントロールとスピードを上げたくなりました。

もちろんスイングスピードを上げれば良いのだけど、せっかく作り上げたフォームのバランスが崩れてしまいます。

他はそのままで精度と球速だけ上げたい・・・

相反する面もあるし、無い物ねだりかもしれません。

 

冒頭のベテラン男性のラケットを検索してる過程で、これが気になりました。

面が108、重量265、ラケット長もラジカルPWRとほぼ同じです。

現在も後継がありますが、面の形状と縦横の本数が違っています、これは16✕20本です。

※動画中で16✕18と言ってますが、16✕20です。

ラジカルPWRの16✕20本版とも言えなくもありません。

横糸が20本は現状のラケットでは、ヘッドスピードプロ(18✕20)ぐらいしかありません、上級者用とされていますが、18✕20はコントロールとボールスピードに重点をおいたバランスと言われています。

縦糸は横振り系のショットのスピン量に関わっています、縦糸の間隔がその鍵ではないかと考えます、コントロールとスピードを担うのは横糸です。

 

15年前のラケットですが程度の良いものが手に入ったので、合うストリングス、テンション他を模索しています。

 

付記

当初はお付き合いダブルスに使えれば良いかと思いましたが

駄目ですね

ショットのスピードは少し増した気がするけど、スピン、コントロールなど前のラケットの水準に達しません、あちらを立てればこちら立たずです。

ラケットは安易に変えるものではありません、初中級あたりで模索してる期間ならまだしも、ある程度自分のスタイルが出来上がってるなら変える必要はありませんね。