前記事に多くのアクセスがあり、関心の高さが伺われました。
もう少し深掘りしたいと思います。
動画の中でこの打ち方について、引く動作?と言っていますが、この打ち方は明らかに手首を使ったスナップショットです。
なぜスナップという言葉を使わないのか?
--手首を使うのは初心者、コントロールはつかないし、あげくに手首を痛めるからやめなさい。---
と、指導してきたから言葉としては使いたくないのか、もしかするとスナップしている事を認識してないのかもしれません。
この動画は前記事でも挙げました。
後ろからのアングルなので、手首の背屈の程度が良くわかります。
とくにシナー、ベレッティーニ、キリオス、ナダルに注目して下さい。
背屈の度合い、テイクバックの位置等、微妙に違います。
ベレッティーニとキリオスは似ています、二人共ボディターンはあまり使わず、ほぼ手首と前腕の動きで振っています、キリオスの切り返しはとても速い、肘から先の動きなのでダブルベントが向いてると言えます。
シナーは、テイクバックでほぼ身体を横向きの位置にしてるので、背屈の度合いも大きくなります。
ディミトロフ、アルカラス、ナダルがストレートアーム。
ストレートアームは、ダブルベントに比べてボデイターンをより生かせるのではないかと思います。
ナダルとアルカラスはよく似ています、二人共腕をラケットの延長のように使っています。
手首を背屈の位置から掌屈の位置へ動かす動きは、日常の生活の中で使う事がほとんどありません、イメージしたり身体に覚え込ませることが難しいのです。
ラケットを握って、肩を支点にして振ってみて下さい、肘と手首は固定したままです。
次に肩と上腕の位置を変えずに肘を支点として振る、最後に同様に手首を背屈から掌屈の動きだけで振る。
手首だけで振るのが、1番速くラケットが動くのがわかるでしょう、実際には全部を総合した動きになるので、相乗効果を伴い更に速く振れます。
ではグリップは何が適してるのでしょう?
背屈の角度は、イースタングリップよりウエスタングリップの方が深く取れます、その時の前腕の向きも違います、ウエスタンの方がやや上を向きます、当然ながらラケット面の角度も違います。
背屈の位置から掌屈へと手首を戻しつつ前腕が前方向に回転、プロネーションの動きになります、この動きに関しては薄いグリップが適しています。
手首をスナップさせるのにも多くのバリエーションがあります。つまり、最適解はないのです。
手首をスナップさせる事について、否定派の理由として1番に挙げるのがコントロールを付けづらい事ですが、この動画の中では違う理由を述べています。
題にNo SNAP!と入っています(笑)
バックスイングで手首を背屈させるのは同じです、ロックインポジションと称しています、そこからそのままヒットポイントまで、手首の角度を保ったまま打てと述べてます。
よく見ても、スナップさせる事を否定する理由が明確ではありません。
スナップを掌屈ではなく撓屈に使う表現になっています、スナップは背屈から掌屈への動きなのでこの説明には違和感があります。
そも、手首を全く使わず固定したまま打つのは困難です。
意識する、しないに関わらず程度の違いこそあれ手首は使うものなのです。
前記事でも述べましたが「スナップ」と言う言葉に拒否反応を示しているのでは?
手首を背屈させ掌屈へと戻して行く過程で、スイングは加速します、戻す角度、タイミングの違いはありますが、皆共通しています。
現在の上位の選手は、皆スナップショットを使ってると言っても言い過ぎではないと思います。