ヤニック・シナー
シンネルと読ませてるところもあるけど最近売出し中です。
現在、世界ランキング10位、トータル5勝。
ネクストジェネレ-ションの中でも評価が高いですね。
とにかくボールスピードが早い、ベースライン近くからでも強打してエースを取ります。
バックハンドは、ツアーでトップのスピードとのデータもあります。
身長が高く手足が長い、ズベレフ、メドベージェフ等の体型。
手が長いのはサーブにおいては有利だけど、フォアハンドはどうなのか?
ストレートアームなら身体より遠い打点(有利かどうかは別)で打てるかもしれませんが、彼はダブルベントです。
フォアハンドのフォームに秘密がありそうです。
テイクバックに注目してください。
こちらはメドベージェフ
フォロースルーが首に巻きつくところなどもよく似ています。
もともとダブルベントのスイング円は、ストレートアームに比べ打球方向に長い楕円形、前が大きいスイングです。
手が長いのでスイングスピードのピークをより前方に持っていくことも出来ます。
テイクバックのトップ
二人共ラケット面(打球側)が後ろを向きますがトップが違います。
メドベージェフはラケットヘッドが頭の上で腕の長さ後方、シナーは肩の高さ肘までの長さ右前方です。
両極端のテイクバックですが、ラケット面は同じく後ろを向いています。
ただ、ラケットの引き方に違いがあります。
メドベージェフは上方向に回すように、シナーはほぼ平行に引きます。
他の選手と同様に、左手をラケットのスロートに添えてからテイクバックに入りますが、ほんの一瞬で離し、その位置からほんの少し後ろへ下げるだけです。
またラケットヘッドがほぼ横方向を指しています。
大抵の人はテイクバックのトップで面が下を向いてるはずです、錦織です。
ラケットヘッドはこの形のまま後方を指します。
中級以下では相手側の方に面が向いたままの人もいます。
グリップにもよるけど面(打球面)が後ろを向くようにすると、前腕の筋肉にストレスががかかります。
下向きの位置から前腕と手首を捻らないと後ろを向きません。
ヤングジェネレーションの世代にはこのトップの形がユニークな選手が多い。
テイアフォーとハチャノフ
なぜ無用と思われる前腕の筋肉にストレスをかける形をとるのか?
ただの個性なのか?
プロと言えども常により良いフォームを模索しています。
人真似でも効果的であれば取り入れようとしますね、似ているのは偶然ではないでしょう。
このテイクバックにはメリットとデメリットがあります。
中級以上ならテイクバックはフォームの重要な要素であり、自分の形は出来上がっています、試してみるにしてもテイクバックを変えるのは簡単ではありません。
プロと呼ばれるからには卓越した身体能力、運動神経、感覚に恵まれ、それに加えてたゆまぬ努力をしているのです、ウィークエンドプレーヤーでは絶対にその域には到達出来ません。
プロレベルだからこそ出来る事もあるのです。
しかし、試しもしないで言葉のイメージだけではその一端も理解出来ませんね。
プロのスイングを解説したモノを見かけます、読んだだけではなんの意味もありません、同じように出来ないまでも、自分でやってみることです。
まずテイクバックのタイミングが早くなります、テイクバックからフォワードスイングへ移るのに時間がかかるからです。
ボールの見切りを早くしないと間に合いません、これはデメリットです。
とくにメドベージェフは、遠く高い位置に持っていくためにより時間がかかります。
先日のマスターズでは、ジョコビッチにそこをつかれネットを取られていました。
一時期、テイクバックを止めないでクイック風にするフォームが流行りましたが、難易度が高く、さほどスイングスピードが早くなるものでもありません。
ではメリットは?
その前に握りこぶしを作って次に力をゆるめるのを繰り返してみてください
筋肉の緊張と弛緩を感じるはずです、力を入れないニュートラルの状態から弛緩させるより緊張状態から力を抜くほうが簡単です。
テイクバックから切り返しフォワードスイングに移行するわけですが、ヒットポイント迄に至る過程では前腕の筋肉は弛緩(脱力)しているほうがスイングスピードが上がります、また手首の背屈もしやすい。
手が長いせいもあるけどフォロースルーが背中まで回り込みます、力を抜かないとこうはいきません。
一般に脱力スイングと言われているモノがありますが、とにかく力を抜く、グリップをゆるく握る、などありますが漠然としていて具体的にどうすれば?かがわかりにくい。
ガチガチに力入れるよりやや力を抜いたほうが、ラケットを早く振れるのは確かです、ゴルフ、野球のスイングでも同様です。
また、このテイクバックの形を取ると自然に肘が上がり、肩にストレスがかかります。
肘の高さと肩の高さが同じになり脇が開き腕全体の位置が高くなります、テイアフォー、ハチャノフも同様です。
肘が下がり肩が緩むと、次の動作に移るのに時間がかかります、始動初期としては適度なストレスがかかっていたほうが良いのです。
弛緩→緊張→弛緩が理想
引き→トップ→フォワードスイングです。
高い位置からやや直線的な軌道でラケットを振り出し、ヒットポイントはやや前方、押し出す感じで打ってます。
手が長いのも相まってフォロースルーを大きく取り、前腕と手首を脱力させ背中で弧を描くようにして次の体制に備えています。