今、世の中情報にあふれ、様々なメデイアを通して大量に発信されているけど、疑問に思う内容や報道姿勢も多々あるし、流言飛語に惑わされる日本人の特性がそこに浮かび上がる。 裏にそれを利用しようとするモノの存在が見え隠れする事も・・・ まあ大上段から切るような大袈裟なものではなく気楽に書いてみます。

ストリングス、そしてテンション

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テニスにおいて技術・理論の次に議論されるべき重要なモノはラケットとストリングスです。

ラケットを語る時、このラケットは云々等々と言われがちですが、あくまでもストリングスと一体で語らないといけません、またテンションについての誤解が多いですね。

そもインプレッションは個人的な感想でしかなく、その人のレベル、感性、文章力によります。

ストリングスもテンションも書かずにこのラケットは・・・

などとと書いてあるのは意味がないですね、実データが無いのにスピンがよくかかる、ボールが伸びるなどはこれもまた意味がありません。

ずっと同じラケットを使い続けながら同じテンションで比較して、初めて意味があると言えます、ストリングスの違いもまた同様です。

ここ数年、同じストリンガーに張ってもらっています、主に中高生相手でとくに有名なストリンガーではありませんが、公式の大会のストリンガーに認定されてるそうです。

以前は大手のスポーツショップに依頼してましたが、同じストリングスとテンションで指定しても、打ってみると感触が違う事が何度かありました。

これでは新しいストリングスは試せません、条件が同じでないと違いがわかりませんね、そういうところではアルバイトが張ってる事が多いようです。

テンションについて

十数年振りに再開するにあたって、手始めに通ってたスポーツクラブのテニススクールに入ったのですが、そこのコーチが40ポンド程度で張ってました。

再開前、自分は70ポンドで張ってました、スピンをかけるにはテンションを高めにする風潮があったからです。

コーチの仕事柄、手首などを痛めないようにそうしてるのだろうと思ってましたが…

※ボールがストリングスに当たる衝撃(衝撃振動)は20ポンド程度のテンションの差の場合、振動の大きさに大差がないとの実験結果があります。

ポリエステルストリングスが広まり始め、スピンをかけるのに必ずしも高いテンションは必要がない事が認知され始めました。

※緩く張ったほうがスピンがかかりやすいとの考えが一部でありますが、実証されたものはありません。

テンションを高めにすると、ボールは飛ばなくなるが、コントロールはつけやすいと言われます。

では、テンションを低くするとボールは飛び、コントロールはつけにくいのでしょうか?

テンションの違いによるボールのスピードについて、ある有名な実験があります。

30ポンドから70ポンドまで10ポンド刻みのラケットでサーブを打ち、その速度を測るというものです。

結果はサーブのスピードに差はなかったそうです。

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※この実験についてはストリングスの種類についての言及はありません、またスイングスピードも計測していません。使用ラケットの特定もしていません。

ではストロークにおいても同じなのでは?

と思われるかもしれませんが、ストロークの場合、飛んでくるボールのスピードを考慮にいれなければなりません、またスピンの有無・程度の影響もあるでしょう。

実証するのはかなり困難と思われます。

ただテンションの高低はボールのスピード(飛び?)に関わっていないのは確かなようです。

またストリングスの違いによるスピン量を検証したものも、見た事がありませんね。

ウイルソン社がSラケを発売した時、ストリングの本数によるスピン量の差を実証したものがあります、これは同時に、スピンがスナップバックにより起こる事を実証した画期的な実験です。それ以前に日本に於いて川副氏の一連の実験もあります。

ただ繰り返しボールを打つ事で、縦横のストリングが擦れ合う事により出来る溝(ノッチ)はスピン量に関わってきます

ノッチが深くなるとスナップバックが起こりにくくなり、当然スピンもかかりにくくなります。

※ナイロンストリングでの新品を1日3時間1週間使用した場合、スピン量が40%低減するとの実験結果があります。

テンションの低下ではなく、スピンに影響が出てきた時に張り替えるべきでしょう。

※使用時間と共にストリングスの弾性が落ちるというのも根拠がありません。

適性なテンションなどと言うものはありません、その人が試行錯誤しながら自分に合ったテンションを見つければ良いのです。

ストリンガーに聞いた訳ではありませんが

指定されたテンションは目安にしてるだけで、1本々同じテンションをかけて張ってるのではないようです、それなら素人でも出来るし、張り上がりに差が出ません。

以前、別の店に同一のラケットを少し間をおいて出したことがありましたが、打った感触が違います。

よく見たらラケットの形状が同一ではありません、これでは当たり前ですね。

上手な人は、オリジナルの形状に注意しながら縦糸と横糸、張る位置でテンションを微妙に変えているようです、プロのラケットを張るレベルの人は、選手の要望に合わせて微妙な調整が出来るのでしょう。

今のストリンガーにお願いするようになって、ストリングスの違いが明確にわかるようになりました。

ストリングスは今やポリエステルが主流。

クエルテンが全仏で、ルキシロン社のポリエステルストリングスを使用し優勝したのがプロが使い始めるきっかけになりました。

有利なモノはすぐ広がるのが勝負の世界、アマチュアも右に倣えです。

理由はスピンが他の材質のものよりかかるから、これは実験で実証されてます。

ポリエステル以前とはテニスが大きく変わりました、ラケットの変化だけではないのです。

新世代のラケット(プリンスグラファイト)が登場した時、早々に使いこなしTOP10に上がって来たのは新人や10代の選手達でした。

スイング、打法は彼等が自然発生的に編み出したものです、ついていけない者は淘汰されてしまいます。

今はポリエステルストリングが徐々に熟成され、それに合わせてラケットも変化してきています。