今、世の中情報にあふれ、様々なメデイアを通して大量に発信されているけど、疑問に思う内容や報道姿勢も多々あるし、流言飛語に惑わされる日本人の特性がそこに浮かび上がる。 裏にそれを利用しようとするモノの存在が見え隠れする事も・・・ まあ大上段から切るような大袈裟なものではなく気楽に書いてみます。

サーブの一連動作の事象と解析

サーブはテニスにおいて最も「重要」なショット。

「重要」と括弧にしたのは、難しい・練習すべき、etc

などもあてはまるからです。

サーブに関しての記事は過去に何度か書いてるので参考に。

まず身体的条件があります。

275cm以上の打点で打てる事

※理由については他の記事を参照

概ね175cm以上の身長が必要ですね(ジャンプして打つ事は計算に入れてません)

それ以下の身長の人は、すべて山なりの軌道で打たないとサービスライン内に入りません。

山なりの軌道で打つ為には2つ方法があります。

緩いスピードでボールを自然落下させる、スピンをかけてボールの軌道を下方向に曲げる、です。

プロ(世界ランク100位以内とします)でもランクの差がつくのはサーブです、サーブが弱いと生き残れません。

ではアマチュアではどうでしょうか?

上級者でも弱々しいサーブを打つ人をけっこう見かけます。

マチュアでサーブがプロほど重要視されてないのは、いくら練習しても上達しない、そこそこのサーブで支障がない、などなど、理論と練習方法が周知されてないのも原因でしょう。

サーブを磨けば試合に勝てる度合いは格段に上がるのです。

テニスはショット毎の関連性が薄い、ストロークを例に挙げればフォアとバックはまったく違います、ショットは個々に独立しているモノなのです。

ショットは個別に練習する必要があるという事です。

ウィークエンドプレーヤーはゲームに時間をあて、ショット別の練習はほとんどしません、中にはゲームの中で練習すれば良いなどと言う人もいます。

それではいつまでたっても上達は望めませんね。

サーブは1人で練習出来るショットです。

パートナーもマシンもいりません、打つボールは自分で設定出来る、同じ条件で練習できるし検証もまた容易なのです。

まず迷惑がかからないように端のコートを確保します、端側のサイドを目標に、ひと通り打ったら反対側サイドから同じように打ちます。

注意としてはコートの高さを正確に設定する事です、ラケットで測る人がいますが長さも幅も違うラケットが多く、意味がありません。

それからボールに気を使う事、公認球である事はもちろんですが、出来ればニューボールを、メルトンが薄かったり空気圧が落ちたボールなどでは練習にならないどころか弊害が出ます。

尚、壁にネットの絵が書かれてるモノがありますが、こういう所で練習するのも同様です、逆光、強風の中での練習もすべきです。

もし275cm以上の打点で打てる確信があるのなら、フラットを練習するべきです。

フラットサーブが、スピンサーブより有効なのはプロが示しています。

打てないならスピンサーブを磨きましょう。

フラットとスピンサーブの違いは、ボールの打点(ボール表面とストリングスが接触する位置)の違いだけです、打ち方を変える必要はありません。

シンプルに考えましょう。

トスでボールの高さと位置(前後左右)をサーブ毎に変える人もいますが、相手に読まれるリスクがあります。

キックサーブは難易度が高いので、アマチュアならツイスト(トップスピンの斜め回転)とスライス(サイドスピン)の2種類を覚えるだけです。

冒頭の動画はプロのフォームです、足先はベースラインに平行に置き両足を深く曲げています。

身体能力が高いからこそのフォームです、相手側にコースを悟らせない意味もあるのです。

プロがこのスタンスをしているのは、身体を正面に向けて捻りながらその力を腕の振りに転換させているからです。

この動きは複雑で、腕の動きとシンクロさせないと意味がありません。

ラケットをラケットダウン最下点の位置から真上に振り上げていくのですが、身体が左足を軸にして右回転にして行くのにつられ、わずかに腕が遠心力で右方向に振られます、そこで体を反対方向の左に傾ける事で腕の角度を修正しながら、同時に打点の高さをより高い位置に持っていきます。

また膝を深く曲げるのはジャンプする為ではなく、曲げた状態から上方向に伸ばす力を身体の回転をアシストするように働かせているのです。

※右利きの人を想定しています。

一連の動きは全て連鎖しており脚力、腹筋、背筋をとても使うので個々の筋力の差も出ます。

マチュアで足の位置だけ真似る人がいますが、筋力が足りずトスの途中から正面を向いてしまう人がほとんどです、初心者に足の位置はベースラインに平行にと教える人がいますが上達を遅らせるだけです。

またサーブを難しくしているのはプロネーションです。

言葉だけが独り歩きしてる気がします。

プロネーション(回内)は主にストローク(主にフォアハンド)で一時期盛んに言われました。

サーブのプロネーションとストロークのプロネーションとでは、使われるタイミングが違います、ストロークは打球後、サーブはそうではありません。

それを説明する前に、サーブのグリップはイースタンかコンチネンタルと言われています、なぜそうなのでしょうか?厚目のグリップではサーブは打てないのでしょうか?

周りを見渡すと、厚目のグリップでサーブをしてる人はあんがいいるものです。

羽子板サーブやアンダースピンサーブは、厚目のグリップでなければ打てません、とくにママさん達に多くホントに器用だなと感心します(笑)。

わかりやすく説明します、イースタングリップとウエスタングリップとで握り

真っ直ぐ上に振り上げ、そこから下に振る動作をして下さい。

どちらが早く振れますか?個人差がありますが僅かにイースタンの方が早く振れますね。

これを実際にサーブの打球前動作に置き換えると、ウエスタングリップでは前述のママさんと同様に、面が初めから正面(相手側コート方向)を向いてるのでフラットサーブしか打てません(アンダースピンサーブは論外)。

ではイースタングリップではどうでしょうか?

真っ直ぐ振り下ろすとサイドフレームで打つ事になるので、内側に回転させないと打てません、この動作がプロネーションです。

※厳密に言うとウエスタングリップでも、回内させることでスピンサーブを打つ事が出来ます、ただイースタングリップに比べ手首の構造上、回内の角度が小さくなります。

少し先に戻り、イースタングリップとウエスタングリップで前方に振る速さを比較します、同じようにプロネーションを入れながら振るとどう感じますか?

先程より、明らかにイースタングリップの方が速く振れます。

この理由は説明が難しいのですが、空手の正拳突きを例にすると理解しやすいかも

空手の正拳突きは、真っ直ぐ突き出す動きに内側にひねる動きを加えます、その方がスピードが増します、ボクシングのスクリューパンチも同様です。

腕を前に振る動きが内側にひねる動きに相乗的に働き、ひねるスピードが速くなります。

サーブの一連の動作の中で重要な場面です。

正面を向いたままフットワークもボディターンも使わず、腕だけの動きでもそこそこ速いサーブが打てます、もっと言うとラケットを高い位置に掲げたままプロネーションの動きだけでも打てますね。

フットワークとボディターンはサーブのスピードアップの為であり、省略すればその分スピードが落ちるだけです、必要不可決のモノではありません。

ではラケットがプロネーションによって打球前後にどのような動きをして、何が起こるのか?

動画並びに静止画を

画像

 

1番目の動画はフラットサーブとなっています。ヒットの瞬間、ラケット面はほぼ平面(並行)に当たりその後に回転していきます。

2番目の動画はちょっと驚きですよね、まるで軟式のボールのようになってしまっています、これでも打球後にラケット面が回転していきます。

1番目の動画との違いは極々わずかの時間差です、プロネーションによるラケット面の回転を恣意的にコントロールしています、人間の感性は恐ろしく鋭敏なのです。

次の静止画は角度がついたラケット面にボールに当たっています、メインストリングスがよれているのが見えます

この場合はよれたストリングスが戻る事によりスピンがかかります、ラケット面がボール正対して当たるとフラット、角度がついて当たりその位置によりキック、トップスピン、スライスになります。

スピンの度合いは当たる強さ、接触時間の長さによります、上級者でなくてもスピンの有無、かかり具合はラケットを通してわかるものです。

むろん、スナップバック効果によるものです。

次の動画はスナップバックが起こる過程を見せたアニメーションです、実写もあるのですがこちらのほうがわかりやすい。

ラケット面とボールが接触してる時間は4ms(0.004秒)と言われています。

ある研究者がハイスピードカメラで取った画像から計算したものですが、今ではスタンダードして認知されています。

これを言質にして、そんな短い時間では、ラケット面でなにか操作をしても意味がないと主張しているブログをみかけます。

そうであるならばサーブにおけるプロネーションの動き、ひいてはスナップバック効果自体を否定する事になります、実際にテニスをしていて、ある程度のレベルであればそんな考えには囚われないでしょう。

尚、動作が似ていることもあり野球の投球動作に例えて説明しているモノがあります、

人はフォームをイメージし、それをなぞるように身体を動かすものです、ボールを投げる動作はイメージしやすいし馴染んでるせいもあり、テニスのサーブも同様と考えてしまいがちです。

頭上のボールを打つのと、手に持ったボールを投げるのでは、動作の目的が違います、当然身体の使い方も違うのです。

このブログは中級以上の人を対象にしています、サーブは既に自分のスタイルは確立しているはずです。

サーブはひじょうに繊細で、トスを変えようしただけでも全体に影響を及ぼします。

しかしサーブが上達するとゲームプランの幅が大きく広がります。

 

題はスライスサーブになっていますが、サーブにおけるプロネーションをわかりやすく説明しています。

※この人は他の動画でもそうですが、腕を肩から真っ直ぐ伸ばし高い打点で打つ事に否定的です。

ただ、現在のプロとくに若手の選手(メドベージェフ、シナー)などはそうではありません。