今、世の中情報にあふれ、様々なメデイアを通して大量に発信されているけど、疑問に思う内容や報道姿勢も多々あるし、流言飛語に惑わされる日本人の特性がそこに浮かび上がる。 裏にそれを利用しようとするモノの存在が見え隠れする事も・・・ まあ大上段から切るような大袈裟なものではなく気楽に書いてみます。

サーブの解析

言うまでもなく試合において1番重要なショット。

ただしアマチュアでは、レベルが下がるほど重要度は下がるようです(笑)

以前に書いた記事がこちらです。

  • サーブの作法
  • サーブは、およそテニスのショットの中で習得するのは1番難易度が高く、上級者でも威力のあるサーブが打てる人は多くはいません。

    他のショットとは違い身体能力の差が出ます、威力のあるサーブを打つ為には高い打点で打てる事と、より筋力を使う事が条件になります。

    また動作の過程が、とても微妙なバランスの上に成り立っているので繊細な感覚も必要です。

    ストロークとボレーのようなショット同士の関連性がなく、これらに習熟したからといって自然に上手になる事はありません。

    まったく独立した体の動作・使い方が必要になります。

    試合の組み立てはサーブから始まります、初めにサーブ有りきなのです。

    サーブに関しては、図解や分解写真、サーブだけの解説本も多くあります。

    しかし、文章にしろ画像にしろ、そこから学ぶのはとても難しいですね。

    サーブの動作は、体の各部が同時に動く為、一方向からだけではわかりにくいのです。

    理想は360度の視点で自由に見られる動画でしょうか

    このマレーの動画には真上からのアングルがあります、拡大にして再生速度を落として何度も繰り返し見て下さい。

    TOP4の中でもオーソドックスなフォームです。

    フォームのところで述べた、トップの位置にあたるのがこの部分です。

    画像

    画像

    トロフィーポーズと言われるものです。

    このポーズを取る前に左腕のトスアップと、ラケットを持つ右腕の動きがありますが、あまり重要ではありません。

    人によって違いもあり、トロフィーポーズで一旦静止するからです。

    一般的なアマチュアでは、このポーズで静止する事ですらひと苦労でしょう。

    膝を曲げ上半身を反り返らすには、腹筋、背筋、大腿筋に非常に負担がかかります。

    それに加えて左脚を軸として体を回転させる動きが加わります。

    下半身を使わず、正面を向いて棒立ちのまま腕の動作だけでもサーブは打てます、中級者のサーブはほとんどがそうです。

    強いサーブを打つには、上半身に加えて下半身の力が必要なのです。

    トロフィーポーズが起点となり、ラケットダウンそしてフォワードスイングへと続きます。

    あとはなるべく高い位置で強く叩く事を意識する事です。

    プロネーションはあまり意識しすぎないように、プロネーションは必然としてスイングの途中でラケット面の向きが変わります、フォアハンドでの使い方とは違い難易度が高いのです、高い位置で強く叩く事だけを念頭におけば自然にプロネーションの動きになります。

    もうひとつ重要なのはグリップです、一般的にはコンチネンタルグリップですが、ほんの数ミリ握りを変えただけでも大きな違いが出ます、自分にあったグリップを探すには試行錯誤しかありません。

    握りが厚くなるほどプロネーションは使えなくなり、その分スイングスピードは落ちます、ただしヒットはしやすくなります。

    またフットワークと体重移動、ボデイターンも重要ですが全部を一度に変えるのは大変です、全てが関連しているからです。

    別々に練習し最終的に組合わせながら調整し、フォームを完成させるようにする事です。

    サーブを変える事は、それまでのフォームを一度崩して組み立て直す必要があり、大事な試合を控えたタイミングではしてはいけません、元のフォームに戻れなくなるリスクもあるのです。

    しかし一段上のレベルに行くには必要な事です。

    ここで見方を変えてみます。

    サーブの速度は最高260kmに達し、プロのサーブは200kmをゆうに超えます。

    尚、ストロークでの最高速は160kmくらい、その差が100kmもあります。

    どうしてでしょうか?

    ボールスピードはスイングスピードに相関します。

    ではサーブのスイングスピードのほうがはるかに速いのでしょうか?

    最近はいろいろなデータが試合中にUPされます、ただサーブのスイングスピードについてのデータは見た事がありませんね、フォアハンドと倍近くのスイングスピードの差があるようには思えません。

    これは推測ですが、ぼぼ静止しているボールを打つのと、向かってくるボール(相反する運動エネルギーを持った)を打つのでは違いがあるのでは?

    また、ほぼ縦振りのスイングと横振りのスイングの違いもあります、ラケット重量の加わり方も違います、スピードの差はそういう違いも関係しいるのではと推測します。

    最初の動画は、題にもある通りフラットサーブの打点前後を捉えたものです。

    面がわずかに傾いています。

    先に挙げたマレーの動画の中にもありますが、様々なサーブを編集したもので、スピンもしくはスライスサーブの打点を捉えたものも混じっていて区別はしにくいのですが、フラットサーブを捉えたものと思われるのがこちらです。

    やはり同様に面の傾きが見られます。

    画像

    サーブの動作は、左脚を軸にした回転運動です、厳密に言えば左脚軸は左に傾きます。

    打点を高く取る為に右手をなるべく上に伸ばすので必然としてそうなります。

    また手首の関節の構造上と、手がラケットを握りしめる為にヘッドが真上を指すようにするのは難しいのです。

    わずかにラケット面は左側に傾きます。

    もうひとつ注目されるのはスナップバックです。

    何度も書いてますが、ストロークの場合は、メインストリングがズレて戻る事によりスピンがかかります。

    このメカニズムについては、以前の記事を参考にして下さい。

    スナップバック理論からすれば、ラケットを縦にしても同様の現象が起こるはずであり、サーブやスマッシュなどではクロスストリングがその役割を担うと考えられます。

    二枚目の画像を詳細に見ると、メインとクロスの両方にストリングのズレが見られます。

    ボールに対して斜めの面で当たるからと推測されます、ただし前方に角度を付けて打つ場合(ネット際でスマッシュする、無論サーブでも有り得る)はクロスストリングの役割が大きくなると思われます。

    ほぼ垂直面でボールと接触しラケットが前方下向きに移動してますが、ボールは変形しつつラケット面からなかなか離れません押してるようにも見えます、スナップバックの観点からも興味深いですね。

    画像

    このUSPTAの動画は、サーブの種類の打ち分けについて説明しています、

    二枚目の画像は動画から抜き出したものです、種類に応じてボールの打点の違いを表しています。

    ビリヤードで言う撞点の概念と考えると理解しやすいでしょう。

    図の通りと考えるとキックが順回転(トップスピン)、ツイストは右斜め回転、スライスが左斜め回転と言う事になります。

    ボールをラケット面に当たる(当てる)位置によって回転方向が変わる(変える)事を説明しています。

    大概の人はここで言うツイストをトップスピンと理解してるのではないでしょうか?

    この動画と説明では、ラケット面に当てる位置を変えるだけで球種を変えられるかの印象を持ちますが、厳密にはそうではありません。

    この動画は真後ろからの視点なので、打点時の正面方向に対するラケット面の角度がわかりません。

    こちらを見て下さい、おそらくこの視点でのサーブのヒットポイントの画像は初めて見るものでしょう。

    人によっては目から鱗なのではないでしょうか?

    画像

    説明はありませんがスピンサーブでしょう。

    この瞬間前後の動画も良く見て下さい。

    プローネーション動作の途中でボールとらえています、フラットとの違いはタイミングだけです。

    腕の振りの違い(もしくはフォーム)による打ち分けなど、トッププロはしていないのは明らかですね。

    そもそも球種の予測など上級者にとってあまり意味のある事ではありません、コースの予測こそが難しいのです。

    コースにしても、ほんの少し立つ位置を変えて相手に読まれにくくする事など、上級者はごく当たり前にしています。

    テニスもそうですが、スポーツには実戦の中でしかも上のレベルでないとわからない事があります。

    試合経験も無くスクールテニスのレベルの人が語っても、すぐ底が知れるモノなのです

    またスナップバック理論の観点から見ると、フォアハンドでラケット面に角度を付けてスピンをかけるのと同様の動作です。

    ラケット面を縦にして考えれば良いのです、この場合は回転を生み出すのはメインストリングスでこれもフォアハンドと同じです。

    サーブにおけるプロネーションはスイングスピードの向上だけでなく、回転を与える為にも必須なのです。

    ※サーブにおけるスナップバック効果についての推論

    一般的なトップスピンサーブは、下から上へラケット面を動かす事で回転をかけています。

    ボールの軌道は上方向へ一旦持ち上がります。

    プロを含めほとんどがこの打ち方です、ネットするリスクも少なく高く弾みます、セカンドサーブはほとんどがこの打ち方ですね。

    威力より入れる事を念頭にしたサーブです、フラットよりスピードが遅く、高く弾むので上から叩かれる弱点もあります。

    記事でも触れましたがクロスストリングのスナップバックを考えると、ラケット面がボールに対して縦に角度が付くと効果が大きくなると考えます。

    例えばネット近くでのスマッシュを打つ時の打ち下ろす動作のイメージです。

    ※3番目の動画を参考

    イズナーのサーブを詳細に見ると、フラットサーブの軌道で、トップスピン回転がかかりそれでいて高く弾まないサーブを打っています。

    2種類のフラットサーブを持っているかのようです、いわば直線的な軌道のフォアハンドのトップスピンと同じです。

    しかし、このサーブを打つには上からの角度を付ける必要があり、打点はより前方になります。

    フラットサーブと同じくらいのスピードで、直線的な軌道で着地の直前でぐっと沈みます、また高く弾まない為にリターンがしづらい。

    ネットするリスクがフラットサーブより大きい為、通常より打点の高さが必要です、決まるとほとんどがエースになりますね。

    今のところ、このサーブを打ててるのはイズナー、カルロビッチ、ズベレフぐらいです。

    ※最近、僕の書いたものを明らかに剽窃したブログや記事を見かけます。

    テニスの技術に関するらしいモノを書いてるようですが…

    気分は良くないですね。