このブログはテニスを科学的、物理学的側面から見て、考えた事を書いています。
また、プロのテニスプレーヤーの身体の使い方を参考にして、アマチュアでも出来るのではないか?
と考え提言しています。
むろん、プロのような高いレベルになると個々の身体能力に負うものが大きくなります。
ただ、特別な身体の使い方をしている訳ではありません、その合理的で効率的な身体の使い方は、アマチュアにおいても充分取り入れられるものです。
コート上では様々な「テニス」が行われていて、試合をやっている人達もいます。
こういう時は後ろを通り抜けたりするのはマナー違反ですね。
ポイントの合間に急いで通り抜けます。
ある時、女性同士がダブルスの試合中でしたが、当然、立ち止まり行方を見ていました。
しかし、なかなか切れ目がありません、互いに雁行陣で後衛がひたすら高いロブを相手の後衛めがけて打ち上げています。
浅くなれば前衛にスマッシュされる、とはいえサイドを抜くショットは打たない(打てない)
かくして羽子板のようにポーン、ポーンと延々と続きます・・・
彼等、あるいは彼女達がしているのも「テニス」です。
一方のコートでは上級者同士が試合をしています、ストロークもサーブも、彼女達のテニスとは歴然とした差があります。
なぜでしょうか?
体力差?はたまた才能?
そもなにをもって上級と中級と言うのか?
時々、アドバイスを頼まれます。
ウィークエンドプレーヤーですが数年、中には十年以上テニスを続けている人達です、初心者ではありません
アドバイスは、ほとんどが自分のストロークについて、主にフォアハンドです。
曰く、もっと強い球を打ちたい、もっとスピンをかけたい…
教えた経験がある方はわかると思いますが、これが1番難しい。見てみると自分なりにフォームは出来上がっています、バックスイング、ヒットポイントも一定です。
こういう人達は、今のままで何かを少しだけ変えるだけで、希望する結果を得たいと思っています。
テニスが一言のアドバイスで変わるはずがありません、魔法の言葉など無いのです。
フォームが出来上がってると言っても、いつも「同じフォーム」で打ててるだけで、フォーム自体が合理的で効率的な体の使い方のフォームではありません。
またボールがアウトするのを極端に嫌がります、アウトボール=初心者=下手、と思ってるのでしょう。
ラケット面はいつも上を向いています、アウトするのを怖がるのでラケットは振りません(振れない)。
スイングスピードが遅いので、ほとんどトップスピンがかかりません。
そうなるとコート内におさめるには山なりのボールを打つしかありません、俗に言う羽子板テニスです。
「羽子板テニス」は勝手なネーミングで、数年前に僕が付けたのですが、認知度も上がってきたようです。
皆、テイクバックは小さくコンパクトなスイングです。
強いボールを打ちたいならテイクバックをもう少し大きくしたら?
と、アドバイスをしたとしても、長く身に付いたフォームは簡単には変えられません。
スタンス、ヒットポイント、グリップ…
すべてが一体化してフォームを成してるからです、全部を変えなければ無理なのです。
キャリアだけは長いので、テニスに関して独自の考え方を持っており、それも間違った内容を書いたブログや雑誌から得てたりします。
読んでみるとラケット面を地面に対して垂直に!とか、面を打ち出す方向に向ける!などとあります。
羽子板テニスには最適です、自分のしているテニスの確証を得たいからの気持ちもあるのでしょう。
スポーツについて書くことは、そのスポーツに親しんでる事はもちろん、ある程度のレべル以上でないと書けないものです。
試合経験も無く、頭の中だけで考えた事などにあまり意味があるとは思えません。
インドアのテニススクールのカーペットコートと、アウトドアの例えオムニコートでの実戦であっても、そこから感じるもの考えつく事は全然違うのです。
他に書いてるのを読んでも、表層だけを捉えてて、上級者から見ると首を傾げる内容です。
グランドスラムのテレビ中継などでは、高解像度のスローを何度も見せてくれます。
ラケット面の角度、ボールの回転がはっきりわかります。
きっと見た事がないのでは?
プロの試合でフラットを打ってるなど有り得ません、速いトップスピンを見誤ってるとしか思えないですね。
書いてる当人がやっているであろう、羽子板テニスからの発想なのでしょう。
また、例外なくシングルスよりダブルスを好みます、ダブルスだと、自分のストロークの非力さをカバー出来るからです。
自分から速いボールは打てませんが、相手の強打にはブロック気味にラケット面を合わせるので、打ち返すボールはそれなりに速くなります。
ボレーは得意な人もいます、ボールに対する感覚、例えば動体視力は中上級者と差がないからです。
サービスリターンはブロック一点張りで、時に効を奏したりします(笑)
ただし、振らない・強く打たない固定観念が身に付いてるので、サーブは強く打たない(打てない)。
プレー全体に積極性がありませんね。
同じようなテニスをしてる同士であれば、ゲームもそれなりに楽しめるでしょうが、すこしレベルが上の相手にはまったく太刀打ちできません。
スイングスピードが決定的に遅いので、上級者のスイングを真似てもトップスピンはほとんどかかりません、スナップバック効果を得るためにヒットポイントで面を傾けて打ったとしても、中途半端なスイングスピードではボールは上がらずネットに直行です。
こういう人達がスナップバック効果を否定するのは、自分で実感出来ないからです。
あげく、トップスピンは自然にかかるなどと書いたり、それを読んで納得したりするのです。
ほとんど中年以降にテニスを始めているので、手っ取り早く体裁を整えたいから、打ち方も安易な方法へと流れやすいのでしょう。
テニスの間口の広さとも言えますが、テニスと似て非なるものと言わざるを得ないですね。
では、羽子板テニスから脱出するにはどうすれば良いのでしょうか?
安易な道などありませんが、ポイントをまとめてあります。