今、世の中情報にあふれ、様々なメデイアを通して大量に発信されているけど、疑問に思う内容や報道姿勢も多々あるし、流言飛語に惑わされる日本人の特性がそこに浮かび上がる。 裏にそれを利用しようとするモノの存在が見え隠れする事も・・・ まあ大上段から切るような大袈裟なものではなく気楽に書いてみます。

トップスピンの打ち方

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かなりベタな題にしてみました(笑)

このテーマについては書き尽くしたと思ってますが、

ちなみに

http://scrooge.at.webry.info/201601/article_1.html

http://scrooge.at.webry.info/201408/article_1.html

です。

同じテーマで書いてる他の記事やら雑誌を見ますが?な内容が多いようです。

中には明らかに間違いや誤解と思われる記述がありますね~

上の2つの記事を読んでいただくとわかりますが、Wilson社のSラケの登場により、トップスピンの原理やメカニズムにようやく注目が集まってきたと思います。

これはテニスの上級者だからわかってると言う訳ではなく、漠然とあるいは感覚的にわかってるのではないかと思います。

当然ながら、原理・メカニズムがわかったからといって、自在にトップスピンを打てるようになるものでもありませんね(笑)

ただ、間違った認識のせいで無駄な努力をしないですむ事は保証します。

常々、なぜラケットメーカーは、ストロークマシーンを開発して製品テストをしないのかと思いますね

作るのがそんなに大変とは思わないし、現にゴルフクラブのメーカーは使っています。

テストを見た事がありますが、百ヤードくらいの距離で数十センチの円内に着地するくらいの精度でした。

テニスに応用すれば、精度の高いデータを集められるし、ラケットのみならず、ストリングスの製品開発にも役に立つと思うけど

例えば、スイングスピードとスピン量の相関、あるいはスピン量とボールスピードの関連、などなど…

ちゃんとした実証による、科学的なデータの裏付けがあれば、トレーニングや効率的なコーチングに応用することが出来て、難しいスポーツとされているテニスも、もっと広く受け入れられるようになると思いますね。

未だに人間のテスターに頼ってるようですが、人間の感覚ほど曖昧なものはありません(笑)

※ラケットに装着するモノもありますが、加速度センサーを内蔵してるだけで、スイングスピードは測れますが、スピンに関しては参考程度にしかなりませんね。

さて、最近のテニス中継ではスローモーションが多用されます、ネットには動画や画像が溢れています。

例えば、トップスピンを打つ時のラケット面はボールに対して「垂直」である!などと書いてるのがありますが・・・

これは正しいですか?

横からの動画なり画像をみればわかりますが、すべてラケット面には角度(下向きに)が付けられていますね。

※前記事でも触れていますが、ショートラリーのように、スイングスピードを極端に抑えた打ち方では、下から上へのラケット面にボールが載ることで、ラケット面が垂直もしくは垂直に近い角度でもトップスピンがかかります、

しかし、垂直面ではスナップバック効果もほとんど無いためスピン量は少なく、前方への勢いも弱いのです。

なぜか、垂直で有ることに固執される方がいるようですが、スナップバックの観点からも明らかですし、なによりヒットポイントでの画像なり動画を良く見ればわかりますね。

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薄いグリップと言われるフェデラー

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彼らトッププレーヤーは一球もおろそかにはしません、常に意識して打ってるのです。

どちらでも良いような事はないのです

このあたりの事は前記事を参考にして下さい。

また、TV中継を見ていると、バウンド後のボールの回転がよく分かる画面があります、大概、エースやダウンザラインに決まったシーンですが、ほぼ100%トップスピン回転ですね。

フラット系やフラットドライブとか言う人がいますが、明らかなスライスをのぞいて、殆どの打球はトップスピン(順回転)です。

アニメの影響なのか、何種類ものボールを打ち分けてると思われてるかもしれませんが、実際にはそんな事はないのです。

尚、現在トップスピンが主流になった理由は、ラケットの進歩によると思われてますが

材質はずっとカーボングラファイトですし、形状もあまり変わっていませんね。

1976年のプリンスグラファイト登場以来、ラケット自体はそんなに進化はしていません。

思うに、ボールの重量・反発力の変化だと思ってます。

テニスボールにはルール上の規定はあるのですが、かなり許容範囲が広いルールです。

ニューボールに変えた時、普段と違うメーカーのボールを使った時など、驚くほど感触が違うのは周知の事です。

ボールを変える事によって、テニスのスタイルも変化し、ある意味、テニスを面白くも出来るのです。

さて、以前の話のついでですが

トップスピンが多用されるのは変わっていないのですが、主流となる打ち方は変遷しています。

やはり、その時点でのトップのレベルの選手のスタイルを参考にする人が多くなるからでは?

テニスにも流行があるのでしょうね(笑)

具体的には、ボールを線で捉えるのと、点で捉えるのとの違い。

トップスピンは、ラケットに角度を付けて(打球面を下向きに傾ける)、ボールをヒットする事で起こるスナップバックで回転が発生するので、スイングは平行でも、上から下へ振っても回転をかけることが出来ます。

※スライス(アンダースピン)も、動作は逆になりますが起こる原理は同じです。

スライスはラケット面を上向きに角度付けて打ちます、誰も垂直にしては打ちませんね。

かつてのレンドル、アガシの打ち方がまさにそうで、彼らのフォアハンドはまさに叩き込むにふさわしいスイングでした。

この打ち方の利点は、まずボールスピードが早い(反面、トップスピンの回転量は少ない)事、ボールの飛んでくる軌道にそって打てる(線で捉えるので比較的容易に打てる)事ですね。

当時は、ボールも重く、反発力も少なかったので有効だったのでは?

現在のボールは当時に比べて、重量が軽く反発力も大きいので、こういう打ち方をしなくてもスピードが出ます。

それどころか、この打ち方だと飛びすぎてバックアウトが増えてしまいます。

その為に、より回転量を増やす打ち方が要求されるようになってきました。

そこで出てきたのが、下から上へのスイングです。

以前からあったトップスピンの打ち方ですが、当時は、ボールが落下してくる落ち際を下から持ち上げるようにして打ってました。

皮肉にも高く弾むトップスピンが主流になると、この打ち方ではどんどん後方に押し下げられ、不利になってしまい、その為にだんだんすたれてしまいました。

その代わりに主流になったのが、ボールの上がりっぱなを捉えるライジング打法です。

現在は、ライジングで打つのはそのままで、角度を付けたラケット面を下から上に振り上げて打つスイングが主流です。

上昇するボールを下から上への軌道で打つ!

まさにピンポイントです、これが点で捉える所以ですねえ。

トップレベルになると、このスイングプレーン(下から上への軌道)を数種類持っていて、瞬時に切り替えをしているようです。

さて、中級以上の方だと、「ボールを潰す」、「ボールを押す」、「ボールを掴まえる」、と言う言葉を聞いた事があるでしょう、また感覚的に理解できる方もいるでしょうね。

漠然としていますが大事な事です。

これはヒットポイントでの、ボールとストリングス(ラケット面)との「間」の状態を表現しています。

ボールが歪み、ストリングスが撓む、その瞬間の微妙な時間の経過です。

この時、ラケット面に角度が付いていて、かつ下から上へ上昇しているならば、トップスピンを効率的にかけている状態であるといえます。

言葉では表現しにくいのですが、単に強く早いスイング(球離れが早い)で打つのではありません

あえて言えば、「押しながら持ち上げる」でしょうか?

最近、スイングが変わってきた錦織に見る事が出来ます。

彼自身は「しばく」と表現していますが、以前とは明らかに打球が変わってきていますね。