テニスをする者にとって、かならずアイドルと言えるプレーヤーがいるもの
憧れだし真似したくなったりします。
ウェアだったりシューズだったり
最たるものはラケットでしょう。
プロが使うラケットは、市販品とは全く違うモノだという話があります。
はたしてそうでしょうか?
経済専門メディアに興味を引く記事が載っていました。
Babolat社の紹介も兼ねてるので内容は確かでしょう。
一部を引用
-アマチュア選手たちは、彼らに少しでも近づこうと自らのアイドルと同じラケットを使おうとするが、男子テニス「ビッグ3」の用具に対するこだわりは非常に細かく、メーカーも細かな調整の秘訣(ひけつ)を公にしようとはしない。-ナダルは「ラケットはどの選手にとってもキャリアの生命線だ。腕の延長だよ」と話す。「結局のところ、感触はラケットを通じて伝わってくるし、ラケットに良い手応えがなければ成功をつかむのは難しい」-ラケットは、バボラがナダルと長年にわたって緊密に協力しながら開発したもので、中国製の複合カーボンのフレームは、ストリングなしで重さ約300グラム。このラケットは市販もされている。-しかしナダル用のフレームはその後、仏リヨン近くのバボラのラボで専用の調整が行われる。カスタマイズに要するのは20〜90分、追加費用は150〜200ユーロ(約2万〜2万6700円)に上る。最初にカスタマイズするのはグリップで、太さや長さを微調整したり、溝を削って形を変えたりもする。次に細かい調整を行い、フレームやグリップに素材を付け加えてパワーやバランスの精度を高める。
キャプションは入ってませんが、ナダルのラケット?をカスタマイズしている画像が記事と一緒に出ています。
2番目の画像はグリップテープを変えていますね、いわゆる元グリです。
通常、元グリの上にオーバーグリップテープを巻く事は多いけど
もしかしたら、グリップの形状を変える為に剥がしているのかもしれませんね。
自分もクッションテープを貼り、その上からオーバーグリップテープを巻いています。
グリップの形状はメーカー毎に違い、グリップエンドに近づくにつれ太くなってますがそのカーブも微妙に異なります。
繊細なタッチが要求されるショットは、グリップの感触が全てです。
とくにナダルは、グリップエンドを握り込むタイプなので、こだわりがあるのでしょう。
グリップは、目印を付けずとも数ミリと違わない所を握ります、面も常に同じ面で打ちます。
手の感覚は非常に鋭敏なのです。
興味深いのは3、4番目の画像です。
3番目では、グリップにコーキングガンで何やら注入しているようです、実はグリップの中は空洞になっていて、この中におもりを入れる事はあります。無論、挿入する位置でかなりバランスが違ってきます。
おそらくグリップ全体にフォーム状のモノを詰めることで、極端な偏りを防ぐのでしょう。
振動を和らげる効果もあるのかもしれません。
4番目の画像は意外でした。
この方法は一部では知られてるものですが、ある意味禁じ手なのです。
グロメットの下にリードテープ(板状の鉛のおもり)を埋め込んでいます。
通常はフレームの内側に貼り付けます(ジョコビッチ等)。
この方法だとグロメットとフレームの間に異物が挟まる事になり、ストリングスに干渉してしまいますね。
見かけ上はきれいに見えますが。
リードテープを張る事はアマチュアでもよくやります、スイングウェイトを変える為ですが当然、重量、バランスも変わります。
中級ぐらいになるとやり始めるのですが、張る位置、量で大きく変化し収拾がつかなくなったりします。
世界NO1のジョコビッチが、見かけを考えずあえてフレームの内側にリードテープを張るのは、ストリングスに干渉するのを嫌うのと、グロメット部分とラケット内側に張る場合の効果の違い、即座に調整が出来る事からだと考えます。