現代テニスの主流はトップスピン打法です。
トップスピンは、ラケットを下から上へ振り上げる事でボールに順回転与える事で得られます。
その場合のラケット面は直角に近い程スピン量は増えますが、前方へのエネルギーは失われます。
ボールのスピードとスピン量の兼ね合いになるけど、トップ選手だとヒッティング時の角度は、下向きで約30度くらい。(この角度はトップ選手で皆共通です、物理的な検証の裏付けもあるようですね。)
もちろん、ヒットポイントまでにいたるスィングスピードは、速ければ速いほどスピンをかける事には、優位になります。
長いブランクのあとのテニス再開にあたっては、トップ選手達の打法を解析する事から始めました。 結果言える事は、共通した部分が多い! 合理的で有効なモノは同じなのですねえ~ 特に錦織のフォハンドに注目してみました。
やや斜め前からのアングルですが、ほぼオープンスタンスで打っています。
一見して、ラケットを平行に動かす動きがほとんどない事がわかります、これは練習風景なのでリラックス気味ですが、試合の時はさらに上への動きが強くなります。
最初の画像ですが注目はグリップ! 錦織はウエスタングリップだけど、ラケットのグリップエンドから察するに、さらに外側を握ってますね~ 逆コンチネンタル?とでも言える握り方です。
実は、これがヒッテイングポイントでのラケット面を30度にする秘訣なのです。
そも、この打ち方においてはウエスタングリップが必須であり、イースタングリップなどの薄い握りでは、無理があります。
この後のフォロースルーで、ラケットは立った状態で顔の前を横切ります。 ナダルやジョコビッチは頭の上や後ろ!に持っていく事がありますねえ。
こちらは動画とほぼ反対側のアングルからです、ややクローズドスタンスですが打ち方は同じです。
そしてほぼ真後ろからの画像です、各画像のラケット位置はコマ毎にほぼ同じです。 身につけるべきは、このスイングなのです! 無駄がなく、スイングスピードを上げるのには理想的です。
大多数の人は、ラケットを真横に引き、そのままラケット面を伏せたまま平行に走らせます。
卓球のドライブのような打ち方です。
これではスィングスピードも上がらず、ボールの上をこするような当りになってしまい、勢いも弱く、スピンもあまりかかりません。
体育会系風や上級者にも多いですねえ~(笑) 錦織は、バックスイングの起点をラケットを立て左手を添えます、そこから縦に円を描くようにラケットを降ろしていきます。
次に、下から上方への腕の動きにしたがって腰の回転が加わります。
腰の回転は水平方向ですが、肩、ひじ、手首の各関節が複雑に動き、さらに膝の曲げからの伸びも加わり、それらが相乗的に作用し、ラケットを加速させるのですよ!
この動きは、ラケットを握る手に必要以上に力が入ると、スムーズにいきません、太いグリップだとどうしても腕に力が入りやすいし、リストも上手く使えないのですよ。
それとなるべく軽量のラケットの方が向いてます。
この打法は、錦織だけがしてる訳ではなく、トップ選手のほとんどがそうです。
そのあたりプロでも、合理的で有効なモノはすぐ取り入れるのです。
特にジョコビッチは、身体のバランス感覚が優れてるのとあいまって、とてもフイットしてるようですね。
先日の全日本選手権の決勝での西岡良仁のフォアハンドが興味を惹きました。
錦織と同じニックボロテリーアカデミーで指導を受けてるそうですが、小柄ながら速いスィングと高い弾道のトップスピンを打ってました。
脇を開けずひじをなるべく体に近づけ、ひじから先の動きでラケットを振っていますね。 ライジングで叩くのですがより早いタイミングで打ってます、特にバックハンドは早い。
短いムチを素早く振る感じ。 より進化してるのか、彼の個性なのか?