今、世の中情報にあふれ、様々なメデイアを通して大量に発信されているけど、疑問に思う内容や報道姿勢も多々あるし、流言飛語に惑わされる日本人の特性がそこに浮かび上がる。 裏にそれを利用しようとするモノの存在が見え隠れする事も・・・ まあ大上段から切るような大袈裟なものではなく気楽に書いてみます。

ナダルとトップスピンの秘密

15年振りにテニス本格再開にあたって。

 

まずはテニスの今!を知る事から始めました。

 

こういう場合、技術やテクニックについての解説本などは役に立ちませんね~

それはテニスには「基本」がないから。

 

ならば、強い選手を見習う事(笑)

 

幸い以前と違い、HDの画像コンテンツやYouTubeがあります。

それらを見て、的確な解説を加えたブログも多く参考になります。

 

実は、テニスはあまり身体的能力を問われるスポーツではないのですよ。

足が速い、あるいは筋力がある人が強い訳ではないしね。

 

あと他の球技と違う点は、テニスに必要な各ショット、フォアハンド、バックハンド、サーブ、ボレー

これらがすべて個々に独立してる事だねえ。

フォアは凄いが、バックはまるでダメなんて人はいくらでもいる。

ショットとゲームマネージメントを組合わせると、いろんな展開が出来るからテニスは面白い。

 

さてナダルの話。

 

今のテニス界は、トップ4でグランドスラムを独占してます。

長くフェデラーが抜けて強かったけど、今はナダルジョコビッチ、マレー。

この中で1人だけフォアハンドが異質なのがナダル

 

ジョコビッチもマレーも、あるいは錦織もフォハンドはほぼ同じ打ち方だねえ~

言ってみれば主流の打ち方。

一流の選手でも、他の選手の打ち方が合理的で有効であれば、取り入れようとするのは当然でしょう。

 

ナダルが異質なのはまずそのスピン量(回転数)、他の選手より平均30%近く多いそうである。

 

実はトップスピンをかけるだけなら誰でも出来る、ナダル以上のトップスピンでも可能。

ボールに対して出来るだけ垂直に近い角度で、素早くこすりあげるのですよ。

 

凄まじい回転がかかります、これはスイングスピードが早いほど、角度が直角に近い程そうなります。

ただしボールの前方へのエネルギーは、その分失われる事になり、ほとんど目の前にボールが落ちる事になります。(笑)

だから前方へのエネルギーを保ちつつ、スピンもかけた球を打つ事が必要になる訳ですよ。

 

そもトップスピンの優位性はどこにあるのか?

 

それは強く打ってもコートに入る事!

 

なんだそんな事か!と言うなかれ

トップスピンの球筋は、高く飛び急速に落ちます。

 

トップスピンをかけないで、強く打つとほとんどアウトしますねえ、だから力を加減して打つ事になり、自然と羽子板テニスになってしまう。

昨今のラケットは反発力があるので(パワーと称してますが・・・)尚更ですね。

 

相手が打ってくるいろんな種類(トップスピン、スライス、フラット)のボール、そして速度や強弱、高低の違い、それらに対して、力強いスイングで返球できる事が、テニスには欠かせない。

ラケットを合わせるだけでも相手コートに返るけど、攻撃的とは言えないし面白くないでしょう。

 

それとトップスピンの打球は着地してから高くはずみ、コート面によってはイレギュラーに跳ねるから打ちずらい。

 

もしスクールで、コーチがママさん相手にトップスピンで打とうものなら、打ちにくい!と言われるでしょうねえ(笑)

上級者レベルの人でも、自分ではトップスピンで打ってるつもりでも、ほとんどがフラットになってしまってますね。

 

打つには一定以上のスイングスピードが必要なのです。

 

ナダルのトップスピンの打球は、他のトップ選手よりスピードが遅い、これはスピン量が他の選手より多いからそうなります。

 

ただフォアハンドのスイングスピードは他の選手より速い!

 

矛盾するのでは?

と思われるかもしれませんが、ナダルはその分のエネルギーを縦方向に使い、スピードを犠牲にしてます。

 

では、なぜそんなにフォアハンドのスイングスピードを速く出来るのか?

トップ選手ともなれば身体的能力にそんなに差はありませんし、ナダルだけが特別ではないのですよ。

 

ナダルのフォアハンドと、フェデラーのフォアハンドを比較してみます。

どちらも腕を伸ばした打ち方、いわゆるストレートアームです。

 

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正面からとらえたとても興味深い画像です、ここにナダルのスイングスピードの速さの秘密があります。

こちらはフェデラーのフォアハンド。

 

 

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どちらの画像も最後はボールを打った瞬間ですが、大きな違いがありますね。

 

それは手首です。

フェデラーは、手首を固定、いわゆるコックした状態でボールをとらえに行きますが、ナダルの手首は伸びています。

 

一流のテニスプレーヤーは、皆フェデラーのように打ちます、ジョコビッチもマレーも錦織もそうです、というかこの打ち方が定石なのです。

手首を使う打ち方だと球筋が安定しないし、いわばタッチ(感覚)に頼った打ち方です。

 

ナダルは、最初の画像では手首が手の甲側に目一杯曲がってます、ここからヒッティングポイント迄に行く間に手首を返し、さながらムチのようにラケットを加速させるのですよ!

 

ちなみにストレートアーム自体が、今は少数派なのです。

ひじを曲げて打つダブルベントが主流。

 

こちらはダブルベントのジョコビッチとツォンガの画像です。

どちらもヒットの瞬間ですが、手首の位置にも注意です。

 

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個人的には、ダブルベントの方がひじへの負担や、力が入り易い事を考えると良いと思うけどね。

 

ナダルの場合は、腕を真っ直ぐに伸ばし出来るだけ回転半径を長くし遠心力を生かしている。

そして手首を返しながらラケットヘッドを加速させているので、ストレートアームが合っているのかもしれません。

 

スペインや中南米で行われてるスポーツで、ハイアライがあります。

手首の先にカゴ状のモノを付けて球を入れ、出来るだけ速く遠くに飛ばす事が要求されるスポーツです。

 

 

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腕を伸ばして、出来るだけ遠心力を生かしています。

 

当然、ナダルもこのスポーツに親しんでるはず。

そう考えるとナダルがスペイン出身なのも、もしかすると関係があるかもしれませんね。