ナダルとジョコビッチのフォアハンド
いよいよ今月末に、全仏オープンが行われます。
全仏の中継は、スーパースローを多用してとても参考になります。
こちらは、去年の両者の対戦の画像からです。
特に各コマの手首の位置の違いに注目ですねえ
左右の違いはありますが、バックスイングではグリップエンドが正面を向き、両者とも手の甲側に折れ曲がってるのがわかります。
ジョコビッチの手首の角度は変わっていませんが、ナダルの手首は伸び始めています。
カメラの位置は固定してるので、角度による違いはありません。
まさにヒットの瞬間です!
ジョコビッチの画像では、スナップバックが起きようとしてます、まだ手首の角度は保ったままです。
ナダルの画像では画面がぶれてます、彼のスイングは非常に速いのでスーパースローの静止でもこうなる時がありますねえ~
手首は完全に伸びています(中立の状態)。
普通この手首の角度でボールをヒットするのはとても難しいのですよ!
ちょっとずれるとあらぬ方向へ飛んで行ってしまうし、ボールの勢いに押されて手首がブレやすいのだけど、驚異的なスイングスピードと、強靱な手首のなせるわざなのかも。
手首を使う事は(無論、ヒットポイントに至るまで)、スイングスピードをあげる事には寄与しますが、タイミングを合わせるのがとても難しいのですよ。
他のプレーヤーは、そういうリスクをおかしません。
ナダルのスイングスピードのエネルギーは、ひたすらトップスピンをかける為に使われます。
スイングの軌道も、他のプレーヤに比べて上方へ向けられてるのがわかります。
通常、ヒットポイントのタイミングのズレは、ボールの左右方向へのズレになるけど、ナダルの場合はボールの高低とスピン量の差になると言う事ですね。
試合の序盤は、サービスライン近辺にボールが着地する事が多いのは、タイミングを調整していく為とも言えますね。
ジョコビッチのフォロースルー
最初のコマではボールは離れて行ってるのですが、まだ手首角度を保ったままですねえ~
2コマ目からは中立状態に戻り始めていきます。
これは遠心力が働き始めるし、ラケット重量の慣性も手首にかかりますので自然な事です。
フォアハンドにおいて手首を使うのはヒットポイントの瞬間までであって、フォロースルーで手首が返ったとしても関係ないのですよ。
むしろフォロースルーの最終局面では内側に折れ曲がってきます。
ところで
ワイパースイングという言葉があります。
よくわからないネーミングですが、日本だけで使われてるようです(笑)
おそらくワイパーのような動き(横振り?)のスイングの事なのでしょうが、ジョコビッチのフオロースルー3コマのような動きの事を言ってるのでしょう
これは結果的な動きなので、これを目的にスイングするのではないですね。
尚、ジョコビッチも全部のボールについて同じ打ち方をしている訳ではないですね。
ハイボールは手首のスナップをきかせて叩くスイングをしています。