ここにブログを引っ越してほぼ10年、当初は他の場所にも同じ記事を書いてきましたがいつの間にかこちらだけに。
ここはテニスに限定してたけど、 前のところではいろいろ書いてました。
そこは来年で終了になるので、そういう記事もこちらに載せる事にしました。
2008年からなのでいささか古いですが
オーディオ評論家なる人種がいます。
今は映像と音響の融合が進み、さらにPCオーディオのジャンルが出来て、商品もメディアも雨後の竹の子のように出て来ているね。
この方たちもいろいろな所に顔を出すようになってきて、けっこう名前も知られてる人もいます。
それなりに知識も見識も必要だろうし、偏向した事も言えないでしょうね~
麻倉怜士氏はご存じでしょう、肩書きはデジタルメディア評論家になってます。
音だけでなく映像に関しても造詣が深く、氏の書かれてる記事は注視してましたね。
そんな氏が自分のシステムを紹介している記事の中で、ちょっと異質の製品を紹介してました。
氏のその製品に対する絶賛ぶりに訝る向きもいたでしょうね~
これはもう既に製造中止の製品だからとの事も、あったのかもしれませんが・・・
その後、オークション相場で高騰したのも氏の影響力のせいなのかも?
でも特段、販売中に話題になった訳でもないですし、氏も今更褒めてもなんのメリットもないでしょうね(笑)
村田製作所のES105Aという製品です。
既存のシステムにプラスして使います。
音が出る部分は、一見するとスーパートゥィターの形状をしていて、メーカーによると、15khz~100khzの通常人間の耳には聞えない高域の再生が出来るそうです。
はて?
聞えない高域の再生をしてどうするのかと思われるでしょう。
氏によると「全帯域に渡って圧倒的な音響エネルギーと、音響的解像度、音響的再度感?を引き出す。」と書いてます。
多少、美辞麗句ですが絶賛してますねえ。ちょうどその頃は、自分なりに高域の再生について突きつめて考えていた時期でもあったので、この記事には興味を引かれましたね。
また以前、NHKであるドラマーのテクニックの解析をする番組がありました。
その中で音の解析についての部分がありました、素人のドラムの音との比較をしながらね。
そこで使われていたのが、NHKが開発した音カメラと呼ばれるモノです。
リアルタイムで、マイクからの音を画面に表示出来るカメラで、音の高さ広がりをマトリックスの画面で見る事が
出来るし、高低による色分けも可能です。
演奏の画像と一緒に表示すると、ステイックの一撃で音の輪がパッと画面に出る感じです。
これだと音の重なり具合もわかるし、同時にどんな音が、どの音域で出ているのか一目瞭然です。
番組ではスネアドラムの音を解析してましたが、スネアドラムは、ドラムの中では中域の音を担うかと思ってたんだけど、実は高域から低域まで出てるのですよ!
それであのスネアドラムのトントンって音を構成してるのです。
まさに百聞は一見にしかず!
音を映像で表すと良く理解出来ます。
そのドラマーの方が言うには「高い成分が出ないと音が遠くに拡散しない。」との事、またそれが一流のドラマーの音の秘訣でもあるそうです。
拙ブログでも関連のテーマの中で、音の実態に少しは迫ったつもりですが、ここにもヒントがあるような・・・
さてさて、村田製作所のES105Aは既に製造中止との事で手に入りません。
さして売れてなかったとも言えるでしょうね。
この手の製品は眉に唾を付けてみる手合いのものとも思われるし、オーディオの世界は、オカルトもはびこるアブナイ世界でもありますからね(笑)
ところでこれと似た製品があります、画像の製品です、使い方はES105Aと同様。
宣伝と思われるのも嫌なので、あえて製品名は記しませんが。
開発者に聞いたところ、ES105Aと原理は同じだけどアプローチは違うとの事、確か特許はどちらも取得済みなので、おかしなものではないはず。
この方の会社は、高音質のDACの開発で最近知られるようになったので、マニアの方はご存じだと思います。
ちなみにこの商品も以前からあるもので、そんなにマニアの間で話題になった覚えはありませんねえ。
さて、好意により試聴する事が出来ました。
別のメーカーの角形スーパートゥイターが付いており、SPの出力を一旦小型の装置に入れるようになっています。
一聴して音全体が違うのがわかります!
オカルトではありませんよ(笑)
高域の広がりだけではなく中低域も広がります、音の膨らみが出てくると言った方が適切かもしれませんねえ。
良く聞き込んだCDやSACD程、違いがわかります。
ただ、クラシックのフルオケはあまり効果が感じられませんでしたね、またバッハのパルティータなどのバイオリンソナタは、もっと効果が感じられてもよいはずなのですがちょっと・・・
このあたり、録音によるものなのかも?
もちろんスーパートゥイターに耳を近づけても、音はほとんど聞えません。
人間の可聴域を越えた音が出ているからでしょう。
それがなぜ、音が全域にわたって豊かに広がるのか?
これは推測なのですが・・・
この装置から出ている人間の耳には聴こえない領域(超高域)の音は、中低域(高域も)の音にも何らかの影響を及ぼすのではないか?
本来の原音というものは、もしかするとそういうものなのでは?
と言う事なんだけど・・・
大概のスピーカー本体は音域別に、高域はツィーター(スーパーツィーターも)、中域はスコーカー、低域はウーファー(スーパーウーファーも)と何本かのSPユニットで構成されています。
中にネットワーク(インターネットで使われる意味とは違う)と呼ばれる、各スピーカーユニットへの信号を周波数別に分ける回路が付いてます。
それによって、それぞれの担当領域の音を効率的に分担させているのでしょう。
でも本当にそれが良いのですかねえ?
この装置を通して発せられる超高域が、他の領域に及ぼす効果?を考えると、その事が疑問に思えるような気もします。
重なり合いの効果もあるのでは?とかね。
マニアの中にはネットワークを外して、スピーカー個々をそれぞれ同じアンプで鳴らすシステムを組んだりします。
またフルレンジ1発だけのスピーカーが最高なのだと信じて疑わない人もいますね。
フルレンジだったら、ストレートに信号が入りますから。
僕も例の音を聞いていたのは、実はフルレンジ1発の自作だったんですよねえ~(笑)
開発者によると、この製品は高域の補完の為に開発したそうです。
確かに高域の広がりは増します、ただ同時に中低域の音もより厚みを増して聴こえます。
この事を質問したら、それは錯覚ではではないか?と言ってましたが(笑)
さて、一般的にスピーカー本体は、トール型であろうとブックシェルフ型、あるいはJBLの巨大スピーカーでも、何本かのSPユニットを組み込んでいて、前述のネットワークという回路で、各ユニットへの周波数帯を振り分けられています。
トータルでの音像バランス(楽器の定位など)を考慮してるので、そのままの状態で鳴らす事を前提にしてあるのですよ。
SPユニットの配置も、メーカーやシリーズによって違うし、左右非対称のものもあります。
このあたりメーカーのノウハウなのでしょうか。
そこに外付けのスーパートゥイターを付け、そこから発せられる超高域が、通常の中低域(高域も)になんらかの効果を及ぼしてるのだとしたら、それも考慮して音像バランスを考え直す必要があります。
つまり、全域で音がふくらめば、それで良いというものでもないのですよ。
事実、僕のシステムでは上方に音像が広がり過ぎる傾向があり、違和感がありましたね。
ビルエバンスが中空でピアノを弾いてたりするのは変でしょう(笑)
麻倉氏はこのあたり言及してませんが、氏のシステムでは全てのスピーカー単体に付けてるようで、特にマルチサウンド再生でのお話のようです。
僕の場合は2ch再生でしたが、マルチシステム(フロントのみ付加する状態)で鳴らしても、状況は変わりませんでしたが、全部のスピーカーに付けた場合では、もしかすると効果の面で多少の違いがあるのかもしれません。
また、スーパートゥイターの設置位置をいろいろ変えたり、あるいはこのシステム自体を、スピーカーBOXに内包しても面白いかもしれませんね。
麻倉氏やドラマー氏の話をかんがみても、超高域の補完はとても効果的と言えそうですよ。