今、世の中情報にあふれ、様々なメデイアを通して大量に発信されているけど、疑問に思う内容や報道姿勢も多々あるし、流言飛語に惑わされる日本人の特性がそこに浮かび上がる。 裏にそれを利用しようとするモノの存在が見え隠れする事も・・・ まあ大上段から切るような大袈裟なものではなく気楽に書いてみます。

備忘録 「高域を追い求めてⅢ」

ここにブログを引っ越してほぼ10年、当初は他の場所にも同じ記事を書いてきましたがいつの間にかこちらだけに。

ここはテニスに限定してたけど、 前のところではいろいろ書いてました。

そこは来年で終了になるので、そういう記事もこちらに載せる事にしました。

2008年からなのでいささか古いですが

 

昔見た映画で、主人公が雑踏の中から特定の会話を拾い出すシーンがあった。
巨大な指向性の強い集音マイク(ガンマイクと呼ばれている)を動かしながら、ヘッドホンで音を探すのである。
なんだか、科学技術の先端の凄いマイクがあるんだなあと思ったりもしたものです。

実は人間の耳にも同じ事が出来る、多種多様な音の洪水の中から、ひとつの音を聴き出す事は、ごく当たり前に日常の中でしている事でしょう~
例えば遠くで鳴いてるペットの鳴き声や、沢山の中から自分の子供の声だけを聴き分けるとか・・
まあこれは聴き憶えという知覚の認識も、作用しているのだけれど。

すこし話は違うけど、台所で水をジャージャー流してる時や、お風呂場でシャワーを出しっぱなしにしてる時に、水の音の中から、遠くなったり近くなったり、高く低く何か別の音が聞える時があります。
それは他の場所のTVの音だったり、あるいは会話だったり。
まるでこだまのように聞えます、こだまの原理は科学的に証明されていますが、この現象がそれかどうかはわかりませんねえ。

昔から合唱の時に「天使の声」と言われている現象があります、発声してる声とは別の音or声のようなものが聞えるのだそうです。
この現象はこれに近いのかな?
音が音に干渉しあって聞えてくる感じ。

また倍音というものも知られています、ハーモニックスとも呼ばれてますね。

ギターを引かれる方は知ってるでしょうが、ハーモニックス奏法というもので、あるフレットの位置に指を軽くあてて弾く奏法です。
綺麗なファ~ッと伸び上がるような高音が出ます。

さてさて、長々となんだか関係のない話をしましたが。

前の方の話でCDの音は20khz以上の音を切り捨ててる、ゆえにそれ以上の音が記録されてるLPより音が良くない(高域が聞えない、あるいは伸びない)。
ではその後世に出た、もっと上の領域まで記録されてる、SACD・DVD-AUDIOはどうなんだ?

やっぱり僕の耳にはLPの音の方が良く聞えてしまう(笑)

ただし全ての音・楽曲・録音と言う事ではありません、あくまでも前から拙ブログのテーマである「ホテル・カリフォルニア」のドンフェルダーのリフの部分の音についてです。

そこにシステムの高域再生の規範を求めたのが、きっかけだったのですよ。

実はひょんな事からその答えのヒントがありました。
前出の部分ももちろん関係してきます。

LPに記録されてる音はもちろんアナログなのですが、音をLP盤からカートリッジで拾い出す過程で、かなり増幅されます。
LPプレーヤーの出力を現代のアンプに繋いでも、蚊の鳴くような音にしか聞えません。
CDと比較すると1/1000位の出力しかないのですよ!

これを担うのがアンプに内蔵されてるフォノアンプというモノです。
昔のアンプはココの切替えが付いてるし、phone端子があります、
ここがCD再生とはかなり違う点です。

さて、音を視覚的に表す為によく使われるのが周波数特性(f特)があります。
CDのf特はあくまでフラットですが、フォノアンプを通したカートリッジの高域特性は大きく歪みます。
グラフでみると大きく上下に波打つようになるそう。

歪みが多いと音が悪いかのようだけど、人間の耳の特性もあるのでしょうか必ずしもそうとは言えないみたい。
歪みが多い事が、この場合効果的に働いてかえって良い音に聞えるのか・・・

歪みが多い事は、実は楽器自体にも言える事なのですよ!
僕はバイオリンが好きで特にソナタが好みでね、ヒラリー・ハーンのバッハのパルティータはバイオリンソナタの代表曲ですが、その音はとてもバイオリン1台の音色とは思えない複雑かつ玄妙・・・

以前、TVの番組で楽器の音を解析をしていたけど、音は楽器から出る時、音の高低・音色などいろいろからみあった音が出てるのですよ、それも綺麗な曲線ではなくぎざぎざで歪みまくってます(笑)
それが、反響やいろんな条件の中で変化し人間の耳に届いている。

これは、バイオリンだけでなく、ピアノ、ドラムなどでもそうらしい。

コンピューターミュージックのジャンルがあります、電子楽器を多用したもので、一時期テクノポップとやらで流行りましたね。
今でも打ち込み系と呼ばれたりしてます。
いろいろな音を電子的に出せるけど、あの音はなぜか薄っぺらいですねえ~
あの音を解析すると、綺麗なカーブや直線で歪みが一切ないのですよ。

音を語るには楽器の特性や人間の耳の能力、その時のいろいろな条件などなど、多くの要素を考えなければいけないのかも。

 


さて「ホテル・カルフォルニア」のリフですが、手元にあれば良く聞いて下さい。

確かにあの音はハーモニックス奏法ですよ、長く続くソロの中の最後で、下から上に突き抜けるような音・・・
そしてこだまのように頭の中に響き渡ります。

僕がLPで聞き、システムで再生出来る高域の目安としてきた音が、CDあるいはDVD-AUDIOより良く聞えた理由がこれなのではないかなと思うのですよ。

音は、歪みや倍音やこだまなどいろんな要素がからみあって、音として聞えてくる・・・
不確定だからとか、あるいは可聴域にとらわれて上下の音域を省いたりしたりすると、魅力が失われおよそ原音からかけ離れたものになってしまうのでは?
ハードの面でも、例えばフォノアンプの特性がアナログの再生に向いてるように、デジタルの音の再生にはまだまだ研究の余地があるのではないのかな?

なんだかより良い高域を追い求めて、そも音の本質とはなにか?
なんてところに行き当たった気がしますね。