今、世の中情報にあふれ、様々なメデイアを通して大量に発信されているけど、疑問に思う内容や報道姿勢も多々あるし、流言飛語に惑わされる日本人の特性がそこに浮かび上がる。 裏にそれを利用しようとするモノの存在が見え隠れする事も・・・ まあ大上段から切るような大袈裟なものではなく気楽に書いてみます。

両手打ちバックハンドの軸足とスタンス

ますはこちらの動画を

USPTA(全米プロテニス協会)の公式動画です。

長いブランクから再開するにあたって参考にするには、適切かなと考えました。

実はそれまではシングルバックハンドだったので、両手打ちに変える良い機会とも考えての事でしたね。

両手打ちバックハンドのお手本のように一見見えますが・・・

両足を真横に開いています、オープンスタンスに違いはないのでしょうが、軸足は左足です。

軸は体の中心を通る、例えば背骨と書いてるものもありますが、軸足は必ず左右どちらかの足です。

軸足はスイングの回転軸です、背骨を軸にしてスイング出来ますか?(笑)

また、スイング途中でもう片方の足に代わる事もありません。

付け加えれば軸と軸足とは若干意味が異なります、軸足に必ずしも「重心」が乘っているとは限りません。

あくまで物理的に地上に接する軸です。

唯一の例外が空中でのスイングです、これはリスクが大きいしショー的な意味合いしかありません。

また荷重あるいは重心が動くことはあります、このメカニズムついては次回に書きます。

実はオープンスタンスの定義は曖昧です。

クローズでもスクエアでもないスタンスが、オープンスタンスと言えるかもしれません(笑)

あまつさえ、ネットに平行に足を開くのがオープンスタンスと言ってる人もいますね、「平行スタンス」と呼んでるのもあるし、わかりやすいので文の中で使わせてもらいます。

ただ、一般的なオープンスタンスとは区別します。

まず、平行スタンスで両手打ちバックハンドを打つのはとても難易度が高いのです。

両足、体がボールに対してほぼ正対しているので、バックスイングを取るには、上半身だけを捻る格好になります。

また、フォアハンドの平行スタンスにも言えますが、ヒットポイントが体寄りで正面に近くなり、逆クロスやストレートを打つのが難しくなります。

裏を返せばリターンのコースを読まれやすい。

これは元々両手打ちのウィークポイントなのです、どうしても窮屈なスイングになります。

現在では、攻撃的なバックハンドをオープンスタンスで打つ選手は殆どいません、クローズかスクエアで打ちます。

マレーの直近の画像です、少しわかりにくいアングルですが、クローズドスタンスで打っています。

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彼の場合、バックハンドをオープンスタンスで打つのは10%くらい、他の選手も同じですね。

サイドに振られたり、返球に時間的余裕が無い時に限られるようです。

この事について面白い動画があります。

錦織もいたIMGアカデミーのものです。

なんだか無理がある主張のような気がしますが・・・

ちなみに同じところですが、こういう動画もあります。

数年で教え方を変えたのかもしれませんね(笑)

ひるがえって、フォアハンドではどうでしょうか?

今やオープンスタンスが主流です。

なぜ、フォア側では多用され、バック側ではオープンスタンスが主流にならないのか?

見方を変えて軸足の観点から考えてみます。

前の記事にも書きましたが、フォアのオープンスタンスの軸足は右足です。

テニスの軸足はスイング回転の中心になります、フォアでは右足がスイング円の中心になります。

この場合円を描くのは右手です。

※右利きの場合。なお両手打ちフォアの人もいますが除きます

さて、これを両手打ちバックハンドに置き換えると、軸足は左足になりますが、スイング円を描くのは左手ではなく両手になりますね。

実際にラケットを握ってスイングするとわかりますが、フォハンドのオープンスタンスとは円の大きさと位置が違います。

フォアのスイング円の方が大きくより前方です、当然ヒットポイントも前になります。

※ちなみにシングルバックハンドのヒットポイントが1番前です。

打点は出来るだけ前のほうが有利です、反応が遅れた場合も対応しやすいのです。

スイングスピードも円が大きい方が上がります。

バックのクローズとスクエアスタンスでは軸足は右足となり、両手打ちのオープンスタンスよりスイング円は前方になります。

もうひとつの理由は、9割以上の人が「右足利き」と言われています、例えば無意識に階段を上がる時や最初に踏み出す足が右足になる人達の事です。

当然ながら、踏ん張ったり体重を支えたりするのも右足の方がやりやすい。

そんなところからも、左足を軸足とするのは馴染まないのかもしれませんね。

実はバックハンドに限らずフォアハンドにおいても、従来のような極端に両足を広げる打ち方は、減る傾向にあります、まして平行スタンスはほとんど見かけなくなりました。

どうしてでしょうか?

僕がテニスをお休みする前は、ネットを境に正対してさながらガンマンの決闘のごとくスタンスを変えずに、ストロークを打ち合っていたものでしたが(笑)

スイングとスタンスは表裏一体です、プレーヤーは常に最良のものを模索しています。

現在主流の打ち方には理由があるのです。

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これは、マスターズ1000大会でのコートの遅さ速さの比較です。

数値の単位やどのような条件での測定なのか不明ですが、概ね遅めの設定にしてある言えますね。

ツアー全体の傾向なのかもしれませんね。

オープンスタンスは、早いコートと軽いボールに対応する為に出てきました、最近、グランドスラム大会やツアーでも、サーブ&ボレーやネットに出ていく戦法を取るプレーヤーが増えてきました。

以前との比較の手段がありませんが、コートは遅くボールは重くなってきていると推測します。

今後もこの傾向は続くでしょうね。

それに合わせてオープンスタンスも洗練された形になって来ているのでしょう。