これは横からのアングル
この打法の特徴が良くわかります。
昔で言う、ドライブ打ちのフォアハンドです。
育成クラスのジュニアなら、まずコーチに直されますねえ。
こういう打ち方が主流だったのは、かろうじて残っている動画コンテンツを見るに、ヒューイットあたりまでかもしれません。
実は、今主流のトップスピンのフォハンドの打法は、誰が最初に始めたかは定かではありません。
そも、今は当たり前の両手打ちバックハンドも、オープンスタンスも、主流になったのはそんな昔の事ではないのですよ。
最初は、それこそ無名の選手か、コーチのアイデアから始まったのでしょう。
それが、有効で試合で有利ならば、自然と広まるものでなのですよ。
まさに、強い者にならえ!なのです。
さてフェレールのフォアハンド
正面からだと、違いがわかりにくいのですが
まず、フォワードスィングからヒットポイント、そしてフォロースルーまで、一貫してラケット面の角度が変わりません。
必然として角度を維持する為に、手首が固定され、肘から先がラケットと一体化した動きしか出来なくなります。
そうなると、スイングスピードを上げる為には肩を大きく回す事になり、腰の回転もより必要になります。
打点も前になり、力が入ると前につんのめるような動きになってしまいます。
どうしてもスピンのかかりが甘くなる為、ハードヒット時のコントロールが難しくなります。
ただ彼は、それをおぎなって余りあるフットワークと、無類のスタミナを持ってるので、現在のランクにいるのでしょう。
実はフェレールだけではなく、同じ打ち方をしてる選手は、トップ20クラスの中にも散見されるし女子選手はもっと頻度が高いです。
テニスオフでも、県大会上位の人を見かける事がありますが、フォアハンドはこの打ち方をしています。
まして、大部分のアマチュアプレーヤーは、言わずもがなですね。
この打ち方は、フラット打法から入りやすいのですよ、ラケット角度を下向きにして、やや下目からスイングする点以外は打ち方は同じですし、時にフラットも織り交ぜる人には向いています。
打点を線上で捕らえやすい事、ハイボールに強い事も利点ですねえ。
フェレールのフォアハンドも、以前の打ち方に比べて洗練されています、ヒットポイントまではラケットヘッドが肘の位置より遅れて出て来ます、スイングスピードを上げる工夫なのでしょう。
ほとんどの人は、バックスイングで同じ位置かラケットヘッドが前に出ています。
しかしトップスピンにとって、1番重要な要素であるスイングスピードを上げるには向いてない打法です。
ニュートップスピン打法は、肘をテコのように使い、円運動で横に移動するのに伴いながら、肘を支点に縦に回転する動きが加わります。
関節と筋肉をとても合理的に使います。
どちらが優位なのかは明白なのですよ。
日本のトップジュニアは、皆この新しい打ち方をしています。
これは大西賢の4年前のものです。
まるで、錦織とそっくりですね(笑)
おそらく、錦織の打法を研究したコーチの教え方なのでしょう。
日本のジュニアは、教えられた事を忠実に実行するのにはたけているけど・・・
テニスにおいて合理的で有効な打法は、早い段階で身に付けるにこしたことはありません。
長く身についた打ち方を変えるのは、イチから始めるのと同じくらい大変です。
それから、プロやトップジュニアどころか下位のジュニアまでもが取り入れてる、現在主流になってる打ち方について書かれてある本や雑誌は、ついぞ見かけた事がありません。
相変わらず難しい用語を使った的外れの解説や、未だに、ボルグの頃の打ち方を踏襲しているだけだったりしますねえ~
まるで、わざと秘密にしておきたいかのようです(笑)